東京レパーズ : オーストラリアンフットボールクラブ

夏、今年は遠征に参加していないのでいつもと違うテンション。久しぶりにおばちゃんと会いたくなった。

おばちゃんといっても親戚のおばちゃんではない、そう、後輩の西田君のことだ。西田君は某旅行会社に就職して立派に働いている。休日も仕事のことが多くなかなか会えていなかった。（ちなみに彼のことを「おばちゃん」と呼び始めたのはいまから５年前の２００４年、ある練習日に、同僚の斎藤君が「西田って、おばちゃんっぽいですね。」とつぶやいたのを聞いた僕が、てっきり彼は「おばちゃん」というあだ名なのだと勘違いして呼び始めたのに遡る。さらに付け加えておくと、オーストラリアのフッティーチームではチームメートをあだ名で呼ぶのは極めてありふれた習慣だ。こんなに素敵なあだ名なのに、どうもそう呼んでいるのは僕だけのような気もする。）

おばちゃんと会うことにした。しかしただ会うのは少し芸がない。もう二人とも大人、ここは企画力が肝心だと思った。そこで提案した。「そうだ、就職して以来全然会えなくなった、笠井くんに会いに行こう！」おばちゃんによると、笠井くんは大森駅のアパレル店で働いているとのこと。「なんだい、そんな近くにいたのかい。すぐに会いに行こう。」僕らは上野駅で落ち合い、電車に乗り込んだ。２５分、あっという間に大森駅。「なんだい、感動の再会なのに、２５分で着くなんて。しかも、なんだい、改札を出る前にもう店が見えてるじゃないか！」僕らは興奮して、一気に彼が勤めている店に駆け込んだ。

「すぐに見つけたら面白くない。じっくり見まわしてからだよ、これは。」どうもいないようだ。「事務所で休憩しているのかもしれない。」店員さんに聞いてみた。「笠井さんは、現在長期休暇中です。」

おばちゃんとぼくは、行き場を失ってしまった。きちんと確認しておくべきだった。しかし、そこまでするのも億劫だったのも確かだ。「長期休暇か、笠井くんの体調が心配だな。」なんて勝手に違う意味にとり、動揺を抑えようとした。

仕方がないから、おばちゃんとぼくはアトレ大森店を散策した。団子売りのお姉さんに陽気に話しかけた。団子を食べながら、お互いの近況を語り合った。おばちゃんは少し太った。僕は少し老けた。少しの間にも、いろいろなことが起こっていたようだ。昼はそばを一緒に食べた。永遠のアイドル、島田さやか君にも電話した。彼女がこの界隈に住んでいると言っていたような気がしたので。残念ながら外出していた。３時間くらいしたら来れるという。しかし、それは少し長い。未練がましくだらだら大森駅に残るのも敗北的だ。おばちゃんとぼくは、残念な気持ちを抑え、振り払うために、上野駅に移動してデザートを食べることにした。

その後、浅草を歩いたり、いろいろしておばちゃんと別れた。おばちゃん、また遊ぼう。笠井くん、今度長期休暇をとるときは僕に連絡してほしい。この話が作り話ではないのを君に証明するために、最後に写真を添えたい。

山本昇平